リスキリングの実態 ~文系・理系の切り口で~

「リスキリング」は一度は聞いてことがあると思いますが、実践までしている方は少ないかと思います。

改めて「リスキリング」の経済産業省の定義ですが

「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」です。

今回の記事の内容ですが、独立行政法人労働政策研究・研修機構の

「社会人の学び直し調査―文系専攻者の理転に着目して―」を参照しています。

特に、STEM分野(Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の4つの分野)における人材不足解消に向けた効果的な支援策を検討するために、文系学部卒業者がSTEM分野へキャリア転換する学び直しの実態を明らかにし、その実現可能性を探る。という調査になります。

調査概要

調査方法:調査会社のモニター登録会員を対象にしたインターネット調査。

対象:雇用者(全国の23~59歳。正社員・大学卒以上に限定)調査期間:2024年1月11日~1月29日
スクリーニング調査において、対象者の最終学歴の専攻分野と、初職・現職の職種に関する情報を収集し、これらの情報を基に対象者を下記カテゴリーに分類し、標本を回収した。

回収数


・理系学科卒・理系職種(ずっと理系) 6,400 31.5%

・理系学科卒・文系職種(文転) 2,369 11.7%

・文系学科卒・理系職種(初職で理転) 2,404 11.8%

・文系学科卒・理系職種(中途で理転) 752 3.7%

・文系学科卒・文系職種(ずっと文系) 8,386 41.3%

合計 20,311

結果


・リスキリング意向
半数以上がリスキリングに消極的であり、リスキリングの必要性を感じていない人が多い

・転職経験と勉強
現在の勤め先への転職理由を尋ねたところ、「給与や待遇の改善のため」が最も多く、特に現職がIT系の専門・技術・研究職では5割を超えており、より高い給与や待遇を求めて転職を考え、実際に転職していることがわかる。

一方で、「将来AIなどに仕事が奪われる不安を感じたから」という理由は1~2%と少なく、AIによる職業の影響に対する懸念は転職理由としては重要でないことが示唆される。

転職者に転職に必要な勉強を行う際にあれば良かった支援を尋ねたところ、勉強を行った転職者の44.8%が「特に無い」と回答。

「キャリア・コンサルタントへの相談」が20.4%であった。

・文系専攻・現職文系職種に対する理系職種転換
文系学部を卒業し、現在文系職種に従事している者に対して、過去に理系職種への転職を希望したことがあるか尋ねたところ、82.8%は理系職種で働きたいと考えた経験がなかった。

理系職種への職探しを行い就職に至った割合は24.9%であり、75.1%は就職に至らなかった。

・自己啓発の取り組み
自己啓発を行った割合は、「現職がIT系の専門・技術・研究職」で46.3%、「IT系以外の専門・技術・研究職」で37.6%、「文系職種」で34.6%であった。

自己啓発の目的については、転職や独立などのキャリアチェンジを目指す人が約3割にとどまる。

自己啓発の勉強方法としては、「独学」が6割弱と最も高い。

最後に

会社主導のキャリアを持つ労働者の方が自己啓発を実施する傾向があるが、自己啓発時間は個人主導の労働者の方が長いことがわかった。

日本の労働者のリスキリングの実態がわかる調査結果です。

特に文系出身、文系業務を行っている方が、理系業務への転職の際、参考になる情報になるのではないでしょうか?