お探し物は図書室まで 書評 ~キャリアコンサルト視点~

2021年本屋大賞 2位になった、青山美智子さんの「お探し物は図書室まで」はキャリアコンサルト的要素が満載な本でした。

【あらすじ】

お探し物は、本ですか? 仕事ですか? 人生ですか?

人生に悩む彼らの背中を、不愛想だけど聞き上手な司書さんが、思いもよらない本のセレクトと可愛い付録で、後押しします。

仕事や人生に行き詰まりを感じている5人が訪れた、町の小さな図書室。

自分が本当に「探している物」に気がつき、明日への活力が満ちていくハートウォーミング小説。

【キャリアコンサルト的 書評】

今後のキャリアや仕事で悩んでいる人(クライアント)が、本を探すために司書(キャリアコンサルタント)を訪れるという構図。

司書は多くを語らずに、お薦めの本の一覧と共に、付録を渡す。(カウンセリング)

本を借りた本人は、その後の出来事から内省し、自ら今後の位置筋を定め、動き出す。(経験代謝?)

本来のキャリアコンサルティングであれば、司書の方が相談者に関わり、経験代謝のサイクルを回し、自己概念を理解して行く過程であるが、司書は多くを語らずに、また相談者も内省し、自分で答えを見つけるストーリーです。

こんなにうまくいくことは少ないな、と思いつつも、この司書のような役割をもっと身近な存在にしなければいけないなとも思いました。

作者の方はキャリアコンサルトをご存じなんでしょうか?

キャリアコンサルトをイメージしていただけるような作品だと思いました。